トリマーですごく簡単に倣い(ならい)加工をする方法

トリマーで簡単に倣い加工_アイキャッチ

トリマーって、使いだすと楽しいです。あまり持ってる人もいないかもしれませんが、コード付きなら、電動工具の中でもそんなに高い方ではありません。

名の通ったメーカーのものでも、DIYクラスの機種+セール価格で、アンダー1万円というのも見かけます。

そんなトリマー。何ができるかと言うと、板材の面取りをしたり、溝を掘ったり、くりぬいたり、形状のコピーをしたりと、先端のビット次第ですが、色々なことができるようになるわけです。

今回は、その中でも、形状のコピーにあたる、倣い加工について、極簡単な方法を書いてみたいと思います。

【ご注意】この記事は、普通の倣い加工とはちょっと違って、簡易的にやろう!というスタンスなので、まっとうな方法は、他のサイトを見た方がいいかもしれません。倣い加工をやりたくても型が作れないよ。という悩みがあってやってみた記事です。

では、やってみます。

こんな形状を作ります。

まずは、何をやるかの確認です。

今回は、引き違い戸の取手部分の形状をトリマーを使って作っていきます。練習程度なので大がかりなものはやりません。

いつもは、ドリルで加工できる丸穴形状ですが、少し飽きたのでアレンジしてみたくなりました。せっかくなので、ちょっとウネウネしたR面が組み合わさった形状にしていきます。

引き戸レール付ボックス
今から作りたいボックス

使用する木材は、合板の12mm厚。針葉樹系なので柔らかく加工しやすいので倣い加工の練習には、なかなか良いチョイスだと思います。

段取り順に説明します

スーパー自己流+超堕落した方法で、参考にならないかもしれないですが、段取りを説明していきます。

①型を作る

形状をコピーするには、型となるコピー元が必要です。一般的にはテンプレートと呼ばれます。

本来は合板などでしっかりとした型を作るのですが、型を作るにも何かしらの形状からコピーしないと作れません。今回は、そんな面倒くさいこともやってられないので、超極簡易的な型を作ります。

使うのは、なんとハレパネ(糊付きスチレンボード)です。お店のPOP作りなどに使用する片面に粘着剤が付いた、スチレンボードです。100円ショップにも同様のものが売っていますが、硬さと密度が違うので、今回の用途には使えませんでした。

写真は、手元にあったセキスイのウッドパネルですが、ハレパネと同様のもので、100均以外のものであれば大丈夫です。

ハレパネに、作りたい形状を書いた紙を貼り付けます。今回は、パソコンで書いた線を印刷して貼り付けましたが、手書きでも問題ありません。

片面粘着剤付きなので、コピー用紙でもキレイに貼る事ができます。この線の通りに、デザインナイフで切り抜きます。デザインナイフは、100円ショップのものでも使えました。

倣い加工用に作った簡易型

切り抜いたのがこちら。これで型の完成です。

②コピーしたい形状を粗くカットしておく

型の形状をいきなりトリマーで削ると削り代が多くて、時間もかかるしトリマーやビットへの負担も大きくなります。写真にあるような合板であれば、柔らかいのでいけないこともないですが、広葉樹とかだと、この作業は必須になります。

さきほど作った型をコピーしたい板材にあてがい、ペンでなぞります。

なぞった線のちょっと内側をジグソーで切り抜いていきます。これで、トリマーを使用する時の削り代を減らすことができます。

ジグソーでカットするラインを引いた状態
ジグソーでカットしている状態

③型を両面テープで貼り付ける

型を両面テープでコピーしたい板材に貼り付けます。板材と型が簡単にずれない事を確認します。薄手の両面テープでも結構な力で貼り付くので全面に貼る必要はありません。

型を再利用したい場合は、両面テープを少な目に貼っておかないと、剥がす時に確実に型がグニャグニャになります。

型の裏に両面テープを貼る
合板に型を貼り付ける

倣い加工する

型が貼れたら、トリマーで倣い加工をしていきます。トリマーは、ビットを変える事で、色んな木口加工ができるようになりますが、今回はコロ付(ガイドベアリング)のストレートビットのみ使用します。板の厚さも12mm程度なので、刃の長さも15mm以上あれば大丈夫です。

ストレートビットの倣い加工用には、コロの位置が、上についているものと、下についているものがあります。

コロ付ストレートビットのコロ位置上下

それぞれに使い分けがありますが、今回使用するのは、コロ位置が上についているパターンのもの。型を板の上に貼る場合は、コロ位置が上についているもの一択になります。

コロ位置が下のものは、板の下側に型を貼る場合や、造作物に化粧板などを貼った時に、はみ出した部分をキレイにトリミングすることに使用されます。

下の絵は、コロが上についているビットの使用イメージです。

トリマーで倣い加工ができる原理

コロは、刃と同じ径になっているので、型以上に刃が木材を削ることがありません。そのため型と同じ形状を写し取ることができます。これが、倣い加工の原理です。

倣い加工をしているトリマーの状態

今回、型としては柔らかいものを使用しています。型にコロを押し付けすぎると潰れてしまい、うまくトレースできません。優しく削っていきます。

また、コロが上にあるものは、トリマーが安定しないので、トリマーのベースをしっかりと安定させて、加工する必要があります。

コロ付ストレートビットの注意点

もし、トリマーがカクンっとなってしまうと、刃が斜めに入り込み、テンプレート以上に、削ってしまうことになります。

倣い加工が終わった状態

倣い加工ができました。上に貼り付けた型と同じ形状が合板にコピーされています。型がハレパネでも、このくらいなら仕上がります。

型を剥がすと、こんな感じになります。

1枚できてしまえば、基本的にはハレパネ簡易型は不要となります。1枚目の板が型となって何枚でも同じものを作る事ができます。

下の写真は、同じ加工方法でいっぱい作ったものです。

倣い加工で複数枚同じものを作っている状態
倣い加工で複数枚同じものを作っている状態2

仕上げ

トリマーで削ったあとは、やや削り面があれています。

紙やすりを、曲線をなぞるようにかけて、なめらかに仕上げて倣い加工は完成です。

まとめ

今回紹介したのは、簡単に倣い加工するために悩んだあげく編み出したオリジナル技です。

倣い加工したくても、型を作るのが大変だし、フリーハンドで書いたような複雑なR面なんか到底無理。そんなモヤモヤがあって、どうやったら簡単にできるのかを考えた末の結論です。

まっとうに、木工に取り組んでいる方々からは、異端扱いされそうですが、まあDIYなんで。

こんな簡単な方法でも、組み合わせればある程度大きなものまで倣い加工できます。もし、もしも興味があったら試してみてください。