ごく個人的な事ですが、最近は、広葉樹でのDIYにはまっています。
自分の部屋の棚・机・オーディオラック・スピーカースタンド・ソファテーブル、全て広葉樹で作りました。広葉樹は固くて重くて、加工もしにくいのですが、ちょっとした拘りです。
樹種は、チェリーとかタモとか、ラバーウッドも使います。はじめは、木目がキレイなのでオイル仕上げにしていたのですが、水滴のついたコップとか植物なんかを置くと簡単に輪染みができてしまい、さらに定期的なオイルメンテを考えると、段々とめんどいなと感じるようになってきてしまったのです。
てな感じで、実用とするなら、メンテナンス頻度が低く、水も弾く、ウレタン塗装がいいんじゃないかと思うに至ったわけです。
そこで、今回は、ウレタン塗装(じますけ風)のやり方をご紹介して、売ってる家具風の仕上げを目指していくという感じの記事にします。
この記事の内容
ウレタンニス仕上げの方法
では、さっそくですが、塗装します。
今回、使用するのは、広葉樹のメープルの集成材。メープルを選んだ理由は、カインズさんで処分特価で販売していたから、それだけです。
メープルは、白肌の樹種なので、個人的には、もっと赤みのあるものが好きですが、会社の経費を使用しているので、そこの拘りは捨てます。広葉樹ということで我慢です。
下地作り
買ってきた木材にサンダーをかけて磨いていきます。
えぐり傷が無ければ、ヤスリの番手は、#280から始めて#320で仕上げる感じです。深い傷があれば#180を使うこともありますが、今回は、幸い深い傷は見当たりませんでした。
買ってきた状態でも、一見ツルツルのように見えますが、サンダーをかける前と後では、明らかに違うのが分かるはずです。
特に木口は、キレイにしておくと、塗装段階の仕上がりが違うので、よくよくよくサンダーをかけておきましょう。ただし、斜めに研磨してしまうと見た目にブサイクになるので注意が必要です。
粉を払う
サンダー掛けで発生した粉は、よく除去しておきましょう。エアダスターがあれば、それで、なければ掃除機の吸い込み口に、何と呼べばいいのか分からないですが、黒い毛の生えたアタッチメントをつけて吸い取ればキレイになります。
それも無ければ、乾いた雑巾で、パッパッパッと払います。(想定よりも粉が舞うので屋外推奨)
着色をする
着色剤の入った、ウレタンニスもありますが、じますけとしては、色の調整をしたいので事前に木材に着色をしてから、ウレタンクリアを塗装するという段取りを踏みます。
なので、まずは、木部着色剤を使って着色していきます。個人的には、和信ペイントさんのが使いやすいかなと思います。
色は、お気に入りのマホガニーブラウンです。結構、赤みがあるのでアンティークな雰囲気になります。
着色剤の容器の中には撹拌用のビー玉が入っているので、カシャカシャと良く振ってから開封します。
着色剤を、やや水で薄めて、好みの濃さになるまで2~3回ほどムラなく塗ります。
乾くと、なんとなく薄くてぼんやりした色に変わってしまいますが、このあとクリアを塗ると、乾く前の濃い色にもどるので、乾く前の色を基準に好みの色に調整していきます。
あと、この色でいいからウレタンクリアは塗らないでいいや!と思うのは絶対にやめてください。ここでの挫折はご法度です。
着色剤には、木部の保護成分はありません。すぐにカスカスのカサカサになります。
水性ウレタンニスのクリアを塗る
これも、じますけの好みですが、艶消しの水性ウレタンニスが好きです。ツヤツヤのテラテラよりも落ち着いた艶になるし、水性なら水で薄められます。それに、臭いもほとんどないので室内で塗れます。
着色剤とブランドを合わせて、ここも和信ペイントさんのものを使用します。あっ、別に和信さんからスポンサードを受けているわけでも何でもないですが、使い易くて入手性も高いので、オススメしてます。
工程としては、3度塗りします。
1度塗り目
やや水で薄めたウレタンを使用します。刷毛にウレタンを付けたら、木材の端から、できるだけ一直線に最後まで塗り切ります。
刷毛に含ませるウレタンは多くなり過ぎないように注意してください。多すぎるとダレます。
塗り終わったら、乾くまで待ちます。和信ペイントさんの資料によると、20℃の室温で、90分で乾燥するらしいのですが、せっかちな性格なので、そこまで待てません。
エアコンの風の下に置いて、45分で触診をして、乾いていれば次の工程に入ります。ウレタンって他の塗料よりも、乾燥早いですし。
やさしくヤスリがけ
せっかく塗装したのに、段取り間違ってない?と思う方もいるかもしれませんが、これ正解です。
着色剤もウレタンも、水分を含んでいます。木材に水分を塗布すると、繊維が起きた状態になります。針葉樹であれば、繊維も柔らかいので乾けばある程度寝ますが、広葉樹は、かなりの部分で起きたままになります。
さわるとザラザラしているのが分かるはずです。この起きた繊維の頭をなでて平坦にする作業がこれです。針葉樹でも、この工程をやらないと、最終的な、仕上がりで表面のサラサラ感や手触りが違ってきます。
やり方としては、#400くらいのやすりを、小さな木っ端などに巻いて、木部に押し付けないように撫でていきます。
手で触ると、撫でていない部分と撫でた部分の差が明らかに分かるので、均一になるように仕上げていきます。
あまり、強く擦ると、下地の着色まで剥がしてしまうので、もう少しキレイに仕上げたい気持ちと下地に気遣う気持ちのせめぎ合いになります。
ほどほどの妥協が必要です。
2度塗り目
ここから、仕上げに向けて気合をいれます。
といっても、ウレタンをできるだけ、刷毛目が残らないように塗り広げるだけです。できるだけ、刷毛でなぞる回数を少なく、それでいて、塗り残しがないように、塗っていきます。
1度塗り目のウレタン層があるので、木材への吸い込みは少なくなります。強めに刷毛をしごいて、余分なウレタンを落としてから、塗るようにします。
塗れたら、ここでも、良く乾かします。といっても、じますけは、30分ほどしか待ちません。
仕上げ塗り
いよいよ仕上げ塗りです。
とはいえ、やはりキレイに塗るだけ。じますけの場合、最後はやや厚めに塗装するため、やや多めに刷毛にウレタンを含ませて塗っていきます。
仕上げだけあって、横から見たり斜めから見たりして、塗り残しや刷毛ムラがないかチェックして満足したら完了となります。
あとは、よく乾燥させます。さすがな、せっかちも最終乾燥はちゃんと待ちます。
塗り終わった表面はこんな感じ
数時間乾燥後の表面は、こんな感じです。
正直、自分の家具作りではなかったので、少し手を抜いてしまいましたが、家具屋さんに売ってるっぽい仕上げになったのではないでしょうか?
もっと簡単に塗る場合は、着色剤入りのウレタンニスを使う方法もありますが、着色剤入りの場合、ウレタンを塗り重ねるほど色が濃くなってしまいます。
どうしても、あとちょっとウレタン層を厚くしたいなと思っても、色のコントールがつきません。その点、今回の方法であれば、ウレタン層の塗り重ねは好きなだけできます。
また、油性のウレタンニスは、膜の硬度や耐久性がやや高いですが、扱いやすさでは、圧倒的に水性が優勢です。水性でも塗り重ねる事で充分な硬度を発揮します。
ワックスやステイン系の塗料でも、いい味がでますが、家具感という点では、ウレタンニスの仕上げをオススメします。
以上、ウレタン塗装をしてみる記事でした。