コーススレッドは木工にとって最高のビスなのか。②

コーススレッドは最高のビスなのか②_アイキャッチ

①からの続きです。

コーススレッドの派生ビスたちを更にご紹介します。

弱点 その②
コーススレッドだと強い工具に負けて折れちゃう。

①の初めの方に書きましたが、コーススレッドは、ねじ山とねじ山の間隔が粗いビスです。

そのため、ねじ山を通常のビス類よりも高く設定してあり、必然的に同じ外径のビスを比較すると軸の部分が細くなります。

細くなれば入り込みはしやすいのですが、反面、細ければ細いだけ当然捩りには弱くなります。

最近では、電動工具もハイパワー化してきているのでコーススレッドでは折れちゃう場面もでてきました。

折れちゃうと、固定もできない、抜けもしないという厄介な状況に陥ります。

こんな弱点を補うビスが以下のものなんです。

ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッド

いかにも感が強いネーミングですが、とにかくハイパワーの工具にも負けないビスなんです。

単純に太くすれば、捩りにも強くなるでしょ?と思ったのですが、そんな単純なことでも無いみたいです。

これコーススレッドと外径がほとんど一緒。外径を太くすれば、それだけ工具にかかるトルクも増大して、電動工具のバッテリーの減りも早くなってしまうから、あえて外径はいじってません。

では、どうやって強くなっているの?

まずは、形状の確認を。。。

18Vインパクトドライバー対応コーススレッド
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッド

おや?

普通のコーススレッドと何ら変わりはありません。

見ためでは分からない秘密が。商品説明書きには・・・

18Vインパクトドライバー対応コーススレッド カタログ
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッド カタログ

○もともと硬くなる素材を使っているから。

普通のコーススレッドは、鉄は鉄でもSWCH18Aっていう種類の鉄を使っています。

これに対してハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドは、SWCH22A相当。

ねじを作るための線材の種類なのですが、この数値によって焼き入れした時の硬さが変わってきます。18Aよりも22Aの方が硬くなるんです。

○谷径を太くしているから。

谷径とは、ねじの山に対して軸の部分の太さを言います。

ねじ山を低くして軸を太くして捩りに強いビスを作っているようです。

では実際測ってみましょう。

普通のコース3.8x32
普通のコース3.8x32
18V対応コース3.8x32
ハイパワー対応コース3.8x32
普通のコース4.2x65
普通のコース4.2x65
18V対応コース4.2x65
ハイバワー対応コース4.2x65

という結果になりました。

堅い素材を使っているのと、やや太くなっていることが強さの秘訣なんですね。

強さの事は分かったところで更に気になる文言が。

先端までネジが切ってあるから、ねじ込みスピードが速い!

んっ?普通のコーススレッドは先端まで、ネジが切ってないの?

という訳で比べてみました。

普通のコース先端
普通のコース先端
18V対応コース先端
18V対応コース先端

わー。普通のコーススレッドは先端までねじ山が無い!発見です。

それに対してハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドはしっかりと、ねじ山があります。これで比べれば木材に対する食い付き始めが速いのが理解できます。

さらに、表面にワックスが付いていて木材にスルリっと入り込むみたいです。

触った感じ、ヌルヌルするとかそういうのは一切なくて、触感フル稼働でも分かりませんが、効果はあるとの事。

そんな感じで、どんどん強くなる電動工具軍にビスとしても果敢に立ち向かっています。

少しでも、ねじ切れが心配なら失敗する前に使うのも手かと思います。

次のページ③では、サビちゃうと困る部分に使うビスを紹介します。

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じますけ
このサイトの管理者兼、商品を作る人。自らもDIYerであるため、できる限り『誰もが使いやすい商品を!』と思っているが、作る商品は自分の趣味に走りがちな傾向にある。センスはともかく、商品に対する、こだわりだけは、人一倍のひと。ネギ・セロリ・ピーマンが天敵。