いきなりですが皆さん、『ドリルビス』略して『ドリビス』をご存じですか?
正式には、ドリルねじという呼称だと思うんですけど、人によっては鉄板ビスとか、ピアスとかテクスとか、ジャックポイントとか色々な呼び方のある、あのビスです。(正式には、それぞれ違うビスだけど機能は同じ)
ドリルビスは、本来複数の工具で行う、鉄板へのビス打ち工程を、ビス一本で済ませることができる優れものなのです。
今回は、そんなドリルビスについて学んで、ドリビスマニアになってみたいと思います!
この記事の内容
ドリルビスとは?
そもそもドリルビスとは何なのか。
施工工程を追って特徴を説明すると、
- 下穴をあける。⇒ドリル形状の先端で、グリグリと相手材に穴をあけます。
- めねじを相手材に作る。⇒ねじ自身がタップを立てながら相手材に切り込んでいきます。
- 締結物を押さえつける。⇒締結物を相手材に押さえつけます。
という3つの工程を1本で済ませることができるビス。
それがドリルビスなのです!
ドリルビスはどんな材質に使えるの?
さて、
ドリルビスの持つ機能は分かったけれど、どんなものに打てるの?どこに使えるの?。
その答えは「 鋼板 」です。かみ砕いて言うと、鉄板の事です。
硬い金属に自ら下穴を開けてねじを形成していくって、、、
ドリルビスってすごい!!!!‼
とはいえ、
いくらドリルビスでも、1本ですべてのケースに対応できるわけではありません。
ひとえに、鋼板といっても、色々な厚さがあるからです。
よって、それぞれのドリルビスには「適用板厚」というものが設定されています。
適用板厚は、ドリルビスのサイズやメーカーによって違うので、そこは、各メーカーの資料で確認してもらうとして、相手材の板厚の測り方には、2パターンあります。
- 取付物には、穴が開いていて、下地材だけにドリルビスで下穴を開ける場合
- 取付物にも、穴が開いておらず、取付物と下地材の両方ともドリルビスで下穴を開ける場合
→ 1.の場合には「下地材の厚さ」が板厚となります。
例えば、すでに穴のあいている金具(金折れとか)を、鋼板に取付ける場合とかが該当します。
その場合は、取り付ける下地材の厚さが、適応板厚の板厚にあたります。
→ 2.の場合には「下地材+取付物の厚さ」が板厚となります。
例えば、穴も何も開いていない鋼板を、鋼板の下地材に取り付ける場合などが該当します。
その場合は、取付物と下地材の厚さを合わせたものが、適応板厚の板厚にあたります。
再度書きますが、
適用板厚についてはメーカーやドリルビスの形状によって異なりますので
各メーカーサイト等を、よくよくご確認ください!
ドリルビスにはどんな種類があるの?
ドリルビスには、メーカーさんによって、色々な種類がありますが、一般的には、ビスの材質・メッキ・頭部形状・太さ・長さの組み合わせで構成されています。
具体的には、
鉄・ユニクロメッキ・鍋頭・太さ4mm・長さ16mm
(ホームセンターとかでの表記は→鉄/ユニクロ鍋4x16と短縮されています)
みたいな感じの組み合わせです。 少しだけですが、詳細を書いておきます。
ドリルビスの材質とメッキ
ドリルビスの材質の、ほとんどが鉄(正式には鋼)です。次にステンレスが多いです。
ステンレスの中でも、主に使用されているのは、SUS410という焼き入れができる鋼種で、たまに、SUS304も使用されますが、レアケースです。
ステンレスにも色々種類があるので、下記の記事もご覧ください。
鋼板に、自ら穴をあけていくので、ビスの材質自体、硬くなければいけません。なので、焼きを入れて表面の硬度を上げられる材質が使用されます。
ドリルビスの代表的な頭部形状
ドリルビスは頭部にもさまざまな形があります。今回はその中でもよく目にする4種類をご紹介します。
皿座彫りのある金具等に使用します。頭部の突出がなく表面をきれいに仕上げることができます。
座彫りのないフラットな金具等の固定に使用します。
座面(接地面)が広いため安定した施工ができます。
六角のソケットで締結を行う場合、安定して施工することができます。
上記の特徴を参考に取付物や施工方法にあった頭部形状の選択をしてみてください。
ドリルビスの太さと長さの組み合わせ
ドリルビスのパッケージを見てみると、4×16や6×35といった数字が記載されています。
これはドリルビスの
をミリメートル単位で表しています。
長さ
上記図においてlが長さとなります。鍋頭と皿頭の二種類の寸法図がありますが、
図のように皿頭の場合は頭部から先端(刃先)までを長さ(l)として記載します。
一方皿頭以外の頭部形状のドリルビスは頭部を含まず首下という部分から先端までを長さ(l)として記載します。
また施工の際、選択するドリルビスの長さは前述の適応板厚により決定します!
太さ
上記図においてdが太さ(外径)となります。図のようにねじの一番高いところの幅のことを指します。
取付物に先穴が空いていた場合には先穴の幅を考慮した太さのドリルビスを選択する必要があります!
特徴のあるドリルビス
色々ある、ドリルビスの中でも、ドリル部に特徴のあるドリルビスがあります。
それが、リーマと呼ばれるヒレのついたドリルビスで、木材を鉄部に取付るのに使用されます。
このリーマの部分が、木部にねじの外径よりも広い穴(リーマの幅)を開ける働きをしてくれます。
つまり、下穴をあけてくれるわけです。
木材を金属に取付けたいと思ったときに普通のドリルビスだと、
「下地材にねじを形成する際木材(取付物)がねじにかかって引き上げられ浮いてきてしまう」
ということや、
「ネジの回転で木材が焦げてしまう」なんてことが起こってしまうんです。
そんな時にこのリーマ付きドリルビスを使えば、
取付物にねじの外径よりも広い穴(リーマの幅)を開けてくれることで問題が解決できます。
でもリーマでねじの外径よりも大きい穴を開け続けたらねじの形成ができないんじゃ、、、?
安心してください実はこのリーマ、ねじ形成の前に取れてしまうんです。
工程を追って説明すると、
- ヒレ(羽)が取付物である木材にねじ外径以上の穴を開けていきます。
- 取付物が貫通し下地材(金属)にリーマ部分が当たるとリーマは取れます。
よって、ねじ形成には影響の出ない構造なのです。なかなか面白いビスですよね。
こんなのも、ドリルビスにはあるんです。
まとめ
以上、ドリルビスについてでした。
ドリルビスに少しでも興味を持っていただけましたでしょうか。
ビスといえばの「とめる」というという役割に加え、自ら穴をあけてしまうパワフルなドリルビス。
実際にインパクトで打った時のやり切った感がたまりません。
是非、実際に打ってみてください!
先端がドリル形状になっていて、下穴をあけずに施工できる、ドリルとビスの機能を併せ持ったビスなんです。