ステンレス製のビスの材質って分かる?

ビスに使用されるステンレスの種類と特徴_アイキャッチ

今回の題材は、『ステンレス製のビスの材質って分かる?』って内容なんです。

???。なに言っているの・・・?

ステンレス製のビスって言ってるんだから、ステンレスでしょ。

と、たいていの人は思うかもしれません。でも実は、そうとも限らないのです。ステンレスは、ビスの製造に使われる材質だけに限ったとしても、いろんな種類があるんです。

それに、ステンレスの種類によってビスの性質も変わってくるのです。

今回は、『そんな事言っても、ステンレスなんだから、みんな同じでしょう!』と思っているあなたに向けて、極簡単に、そのへんの事情を解説していきたいと思います。

そもそも、ステンレスとは?

ステンレスという言葉は、知っているし、どんな材質なのかも、みなさん分かっていると思います。

具体的には?と聞くと、おそらく、「サビない金属!」って答える方が大多数かと思います。しかも、ステンレスという金属として、自然界にもともとあると思っている方もいるようです。

でも実際は少し違うんです。

では、ステンレスって、どんな材質なんでしょうか?

実は、ステンレスの成分のほとんどは鉄なんです。正確には、Feなのですが、分かりやすく鉄と言います。

これに、クロームやニッケルなどを添加して、やっとステンレスが出来上がります。

この添加する、クロームやニッケルなどの分量によってもステンレスの性質が異なってきます。

ステンレスは、含有された、クロームが不導体被膜を形成し、鉄を守ります。赤サビを発生しずらくしているのは、この作用です。あくまで抑制するだけです。

不導体被膜が、突破されたり、なんらかの形で壊れてしまったら、鉄を守りきれずに、サビが発生します。

ステンレスは、サビないものだと思われている方もいらっしゃいますが、サビないのではなく、サビにくいだけなのです。

ステンレスにも種類によってもサビにくさが違う

さらに、このサビにくさも、ステンレスによって変わってきます。

よく食器に使用されるステンレスは、18-8とか表記があるものを見かけます。

これは、SUS304を表しています。SUS304は食器に使用されるだけあって、サビにくいステンレスなんです。

また、ネジを作る時には、Xm7というステンレスが使われます。これは、ネジの加工がしやすいステンレスになります。

という風に、ステンレスにも、それぞれ個性があるのです。

ビスに使用されるステンレス。3種類覚えとけば大丈夫。

ビスに限定して、ステンレスの性質をお話します。ビスであれば3種類だけ覚えておけば大丈夫です。

種類違いのステンレスビス
左から、SUS410・SUS304系・SUS305J1

見た目では、ほとんど分かりませんが、種類の違うステンレスです。

ステンレス SUS410

コーススレッドとか、スリムスレッド(細ビス)で使用されている代表的なステンレスは、SUS410という種類のものです。

ホームセンターに売っている、ステンレスコース・ステンレススリムは、ほとんどがSUS410だと思っていて間違いないと思います。

このステンレス、最大の特徴は、焼き入れができるという事です。

普通の鉄製のコーススレッドでも、焼き入れをして固くして丈夫なビスにしています。

SUS410も、同様に処理ができます。

つまり、ステンレスで鉄製と同じような強度がだせるという事です。

ただ、焼き入れできるというメリットはある反面、SUS304などと比較して、やや耐食性が劣ります。劣るといっても、すぐにサビたりはしないと思いますが、そういう性質があります。

あと、磁石にガッチリ付きます。

ステンレス SUS304・Xm7

ビス類のステンレスとして、続いて多いのが、SUS304・Xm7です。

ひとくくりにしたのは、性質が似ているからです。

基本的にSUS304に、ネジが作りやすいように銅を添加してできたのが、Xm7なんです。

これらのステンレス、SUS410と違って、焼き入れ加工ができません。正確に言うと、焼き入れしても効果が、ほぼありません。

ですので、ステンレスの元の組成そのもので勝負しなければなりません。

ということで、耐食性は、SUS410よりも良いのですが、強度はあまりありません。

トルクの強いインパクトとかで、締結をするとネジ切れる事があります。

サビに強いけど、強度が弱いという材質です。

ステンレス SUS305J1

めったに有りませんが、たまに、このステンレスを使用しているビスを見かけます。

デッキを作る時に使用する、デッキ用ビスとかですね。

属性的には、SUS304と同じ分類のオーステナイト系のステンレスとなります。SUS304よりもニッケルを多く含有していて、耐食性は、SUS304よりやや上です。

焼き入れ加工はできませんが、ネジを作る過程で、多少の硬化がおきるので、素の状態のステンレスよりも硬度は高くなります。

耐食性が高く・硬度もSUS304よりは高いですが、価格も高いです。

強度・耐食性・価格のバランスを考える

ビスのステンレスを3種類書きましたが、どうでしょうか?。なかなか難しいもので、あれが良ければ、こっちが悪いという、バランスの難しい材質だと、ご理解いただけたでしょうか?

ここからは、極個人的な意見なのですが、結局のところ、ビスという使用環境においては、SUS410が1番良いのではないかと思っています。

消去法でいくと、

⇒ビスは、インパクトドライバーで気持ちよく打ちたいですよね。下穴なんかもっての他じゃないですか。という事で、強度が劣る、SUS304は消えます。

⇒ビスは、安いに越したことがないじゃないですか。あと、売っているお店も少ないので、SUS305J1は消えます。

ということで、SUS410が残るわけです。SUS410は、耐食性が低いといっても、屋外でも結構な期間サビは発生しませんし、強度も抜群です。価格も安定しています。

ですので、それぞれ意見はあるかと思いますが、SUS410が1番だと思っています。

昔から、主流になっているのには、それ相応の理由があるのだと思いました。

今回は、個人的な意見をぶつけてしまいましたが、ここまでです。

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じますけ
このサイトの管理者兼、商品を作る人。自らもDIYerであるため、できる限り『誰もが使いやすい商品を!』と思っているが、作る商品は自分の趣味に走りがちな傾向にある。センスはともかく、商品に対する、こだわりだけは、人一倍のひと。ネギ・セロリ・ピーマンが天敵。