DIYをする人にとって安く手に入る板材。ベニヤとかコンパネとか色々呼び方があるけど何が違うの?
ホームセンターに行っても色々種類があって分からない。だからまとめて書いてみます。
この記事の内容
ベニヤ・合板・コンパネは基本的に全部違います。
『結論から書いてしまいますと、ベニヤ・コンパネ・合板はすべて違います。』
混同して使用しがちですね。
分かっている人の方が少ないかもしれません。なので以下にまとめてみます。
・ベニヤ板
木の丸太を大根のかつら剥きのように剥いて作った薄い板のことです。
厚さは0.6~3mm程度の単層(1枚)のものをベニヤと呼びます。ホームセンターではラワン材のベニヤが多いと思います。
・合板
ベニヤ板を接着剤で積層してできた板のことです。何枚かのベニヤを繊維方向が交互になるように接着し強度を上げています。厚さは用途によって様々ありますが9mm・12mmがメインサイズだと思います。
板のサイズはサブロクサイズと呼ばれる、910×1820mmが基本です。またシハチサイズとよばれる1220×2430mmのものもあります。ともに尺寸の呼び方でサブロクは3尺×6尺の略称です。
・コンパネ
合板の1種です。
コンクリートを流し込むときのコンクリート型枠として使用されるものです。
コンクリートパネルと呼ばれています。これを略してコンパネです。普通の合板とは違って板の基本サイズが900×1800mmになっています。厚さは12mmがほとんどです。
・構造用合板
合板の1種です。
建築に使用される合板で壁下地・床下地・屋根下地などに使用されます。使用される箇所により厚さが決まっており、JASにより接着材の性能・表面材の品質・有害物質の飛散量なども定められています。JAS認定品には印が押されています。
・普通合板
合板の1種です。 上記の2種のように特定の用途が指定されていない合板です。
どうでしょう?ヤッパリ違いますね。
合板はベニヤを積層して作っています。ではどのように作るのでしょうか・・・。
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合板の作り方
ベニヤの作り方は、よく大根のかつら剥きに例えられることが多いです。
ですのでベニヤから合板になるまで実際に大根を例にとって説明していきます。
手順① 大根(丸太)を適切なサイズに切り出します。
手順② 大根(丸太)をかつら剥きします。
手順③ かつら剥きした大根を適切なサイズに切っていきます。これがベニヤの状態です。
手順④ 繊維が交互になるように重ねていきます。本当の合板は接着しますが・・・大根なので。
サイズを整えて、表面を修正したら完成です。
合板の1類とか等級とかって何?
合板には~類とか等級があるのを知っていますか?
これはJAS(日本農林規格)が定めた合板の品質基準になります。
合板の表面にJASマークが書かれているのを良く見かけます。このJASマークの回りの文字が品質や用途を表すマークなのです。
~類とか等級にはそれぞれ意味があって、たとえば、〇類の意味は合板を構成する単板を接着する際の強度が主なものとなります。
等級は、合板自体の品質強度を表すものとなります。イメージ的にはこんな感じです。
~類の意味は接着剤の種類と強度を表します。
種類は【特類・1類・2類・3類】があります。
- 特類:フェノール樹脂接着剤が使用されており、一番耐水性が高い
- 1類:メラミン樹脂接着剤が使用されており、特類よりは劣るが湿気に強い。
- 2類:ユリア樹脂接着剤が使用されており、耐水性はあまり高くない。
- 3類:現在、ほとんど使用されていない。
と区分されます。
Fと☆は接着材のホルムアルデヒドの放散量を表します。
ホルムアルデヒドはシックハウスなどの原因となる物質です。☆が多くなるほど放散量が少なくなります。
等級は、基本的に板面の品質と強度になります。
例えば構造用合板の場合は、1級・2級に分かれて強度が規定されていて、さらにA-B-C-Dの組み合わせで表記されます。A-B-C-Dは表裏の板面の品質の表記でありA-Bであれば表面がA、裏面がB品質となります。
それぞれに曲げ強度などの意味がありますが、数値を表記すると複雑になりすぎるために、ここでは説明しません。
構造用合板なので建築には強度は不可欠ではありますがDIYではあまり気にするほどでもないと思いますので強さの基準なのだな・・・くらいで覚えておいてください。
合板の樹種
最後に合板の樹種とか特殊なものをご紹介します。
ラワン合板
ラワンとはフタバガキ科の広葉樹の総称です。
このラワンのベニヤ(単層)を貼り合わせたものがラワン合板です。はっきりとした木目は無く、表面がややザラザラしていて素手で触るとトゲが刺さったりします。広葉樹なのである程度の硬度もあり使いやすい木材でもあります。色目は茶赤系ですが製造ロットにより結構な感じで異なります。売っているものは穴などを補修した跡があったりします。
シナ合板
表裏にシナ単板を貼り付けた合板。芯材はラワン材となります。シナ(シナノキ)は、日本でも各地にみられる落葉性の高木樹です。木質は軽く、均一な繊維で柔らかく加工しやすい木材です。ラワン合板と比較して表面がキレイなので少しヤスリをかけるだけでスルスルになります。色目は白っぽいです。DIYにも適した材かと思います。
檜合板
檜(ひのき)合板は、知名度の高い檜を貼り合わせた合板です。芯材まで檜のものもあれば、芯材は杉であったりするものもあります。良く確認をして購入してください。どちらにしても非常に木目が美しく、法隆寺に使われるほど耐久性が高く、檜風呂にするほど腐りにくい木材です。また独特の香りもあり癒し効果があるとも言われています。DIYでは、その木目を生かして家具や内装材にも使用できます。
針葉樹合板
成長の早い針葉樹(主にカラマツ)を貼り合わせた合板です。成長の早い木材は木質が柔らかく軽量で加工しやすいのが特徴ですが構造用合板として建築の床や壁なでに使用されていますのでせん断・引っ張り・耐衝撃性に優れている側面ももちます。木目はハッキリとしていて、着色をしなければ経年でアメ色に変わってきます。独特な模様はラーチと言われ、好んで使用する人もいます。お店によって表面の粗さにバラツキがありますので何店舗か回って好みを選らぶのが良いかと思います。
OSB合板
OSB合板とは「Oriented Strand Bord」の略称で、アメリカなどの建築方法である2×4建築の壁などに使用される合板です。他の合板とは違い単板を積層するのではなく、チップを互い違いに重ねて積層したものです。そのため独特な模様がありインテリア材としても使用されています。片面に、いかにも海外っぽい文字の印刷がされているのもアメリカンな雰囲気を出しているのかもしれません。基本的に片面はツルッとしてますが片面はザラザラしています。
ランバーコア
ランバーコアとは樹種ではなく、積層の仕方の話なのですが一応。
通常の合板であれば単板を貼り合わせていくのですが、ランバーコアはイメージ的には角材を並べていき貼り合わせた表面に単板を貼り付けて1枚の合板に仕上げたものです。中の角材の材質は、ファルカタ材や針葉樹。表面は仕上げ材で比較的きれいなシナや檜などの他、樹脂板の場合もあります。木材を無駄なく使用して表面はきれいに使用したいという目的が作られています。キッチンやテーブル天板などに使用される事が多いです。集成材のような構成なので歪みも少ないのが特徴です。
まとめ
DIYで使うなら、あまり合板の種類なんか気にするものではないかもしれません。
合板は、まとめると積層された板材だということを知っておけばいいくらいです。用途によって種類は分かれますが、好みで表面の木目やキレイさで選べばいいかと思います。個人的には針葉樹合板の粗い木目が好きです。
ステイン系の着色をすれば、いい雰囲気になってくれます。
ホームセンターに行った際には、少しだけ興味をもって種類を見比べてみてください。多少は合板に関して詳しくなっているかもしれません。
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